あらかじめメリットを理解していたほうが、プログラミングの学習も、やる気が出ると思います。
(1)スパムメールをほぼ100%防止できる。
プログラムを使えば、送信者や件名、本文を判断して、あなた「独自のルール」で、メールを受信できます。
例えば、受信したい送信者のメールアドレスを、あらかじめ登録しておきます。
メールを受信する時に、登録しておいたメールアドレスを参照し、一致すれば受信します。
すると、それ以外のメール(スパムメール)は、シャットアウトできます。
複数の条件を組み合わせれば、迷惑メールをほぼ完全に防げます。
メールサーバーには、従来どおりスパムメールが届くかも知れません。
でも受信の段階で、自動的に除けるわけです。
(2)ネットショップの受注データをデータベース化できる。
自社でネットショップを運営している場合は、メールで受注しているケースが多いと思います。
そして後は、手作業で処理しているのではないでしょうか?
大手のショッピングモールなどでは、受注データをネット上で利用できたり、CSVとしてダウンロードできることもあります。
また、自社でシステムを構築する場合でも、MySQLなどのWeb上で動作するデータベースを使うと、同じようなことができます。
しかし自社で開発するとなると、それなりに高度な知識が必要になります。
ソフトウェア開発会社に外注すると高いです。
そのため小さな会社では、受注メールを見て、宛先を書いたり(出力)、伝票を作成したり、返信メールを送るといった業務が、手作業で行なわれています。
それに受注データは、データベース化されていないことが多いです。
実はメール受信の部分をプログラミングすれば、これらの作業は、ほぼ自動的に行なえます。
MySQLなども不要なため、比較的簡単にシステムを構築できます。
今運用しているネットショップはそのままで、メール受信の部分だけプログラミングできることも、大きなメリットです。
(3)アンケートの集計ができる。
Web上でアンケートフォームに入力してもらい、メールで送ることは、CGIやPHPを使えば簡単にできます。
あとはメールを受信するプログラムを使い、受信したデータを、ExcelやAccessなどで、自動的に集計することができます。
(4)氏名やメールアドレスの登録ができる。(メルマガなどに利用)
これまでに紹介したメール送信の機能を使えば、オリジナルのメールマガジンを発行したり、ステップメールを送ることができます。
でも氏名やメールアドレスの登録が面倒ですよね?
プログラムでメール受信ができるようになれば、メルマガ登録フォームに入力されたデータを、メールで受け取り、ExcelやAccessなどで管理できるようになります。
つまりオリジナルのメルマガ登録が、自動的にできるわけです。
(5)Accessに移植しやすい。
メール送信に関しては、Excelを使うことに大きなメリットがありました。
普段使い慣れているExcelは、送信先のデータを加工しやすいからです。
しかしメール受信に関しては、データベースソフトであるAccessのほうが、圧倒的に便利です。
Accessを使うと、検索、抽出、集計が、クエリで簡単にできます。
そのため当講座でも、Excelでのメール受信は、基本的な部分だけにします。
そしてすぐにAccess版に続くような形式にしたいと思います。
でもExcelでの学習は、無駄にはなりません。
AccessとExcelでは、VBAを使うので、プログラムがほとんど同じだからです。
扱う部品が違うので、多少は違うのですが、Excel版を理解していると、Access版に移植しやすいのは確かです。
Excel版のプログラムが分からないと、Access版も分かりません。
【補足】
今回紹介した様なことを実現するのは、一見難しそうに感じるかも知れません。
実はどれも基本は同じです。
メールサーバーからメールを受信する。
↓
送信者や件名、本文の内容を解析する。
↓
どう処理するか決める。
たったこれだけです。
したがって、個々のプログラムを詳しく解説するというよりは、全体として共通する部分のプログラムを紹介します。
あとは目的に合わせて、カスタマイズ出来るようになります。